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SPECIAL2017.7.28 (Fri)

デザイナーが選ぶ 都内のクリエイティブな珍スポット

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  • 広瀬陽 | Minami Hirose
  • 株式会社シグナル デザイナー

こんにちは。デザイナーの広瀬です。
制作に携わる方は、日頃からさまざまな方法で創造力を養っていらっしゃるかと思います。美術館や展示会に行くなども刺激的ですが、ときにはちょっと趣向を変えて、“クリエイティブな珍スポット”からインスピレーションを得てみるのはいかがでしょうか?

珍スポットめぐりが好きな私が、都内からピックアップしたとっておきの場所をご案内します!

昼過ぎに出発すればOK! 半日で珍スポット4ヶ所をめぐる

今回は、車や電車に乗って半日でまわれるコースを組んでみました。休日の朝はゆっくりしたいという方も、昼すぎに出発すれば全てまわれます!

■珍スポットめぐり半日コース
1. おりがみ会館(文京区湯島)
↓約5.5km
2. ドラード和世陀(新宿区早稲田)
↓約18km
3. あさくら画廊(足立区竹ノ塚)
↓約10km
4. 赤羽霊園(北区赤羽)

1.おりがみ会館(湯島)

というわけで、スタート地点は文京区湯島の『おりがみ会館』。1859年にこの地に創業された『小林染紙店』を母体とする歴史ある施設で、館内では折り紙の展示や販売を行っています。

さっそく、ツアーに同行してくれる新卒の“はこちゃん”(写真右)と入口で記念撮影。珍スポット好きの私に付き合わされて、はこちゃんの表情がやや暗い……?

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展示は中2階のギャラリーで見ることができます。部屋に入ってみると、折り鶴がずらり。しかも、大きな鶴を小さな鶴が引っ張り合っているなど、意味深なものばかりです。

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一つひとつの作品には解説がついています。こちらは芙蓉(蓮)の花をイメージしているそう。言われてみれば花の形に見えなくもないですが、なぜ折り鶴で蓮を表現しようと思ったのかが気になります。

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一般的な折り鶴だけでなく、紙で作られた怖いくらいにリアルな鶴も展示されていました。

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中2階から売店のある3階に上ると、踊り場の柵にも鶴が。こういう小さなこだわりがいいですね。

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売店にはさまざまな柄の折り紙が売っています。お土産に、気になった『くちびる』折り紙を購入。

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購入した折り紙で作ったのが、こちら。唇部分の赤色には口紅みたいにテカテカとした光沢があって、ちょっと異様な感じを出していました。

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【広瀬コメント】
海外からの観光客も多く普通の観光スポット風なのですが、展示物は日本人でも「はて?」と思うような合体した鶴がたくさんで、なぜこの形なのかと好奇心がくすぐられます。館長さん直々のおりがみ教室もあるようなので、機会があれば参加してみたいです。

<施設DATA>
おりがみ会館
所在地:東京都文京区湯島1-7-14
営業時間:9:30~18:00(日曜・祝日定休)※8/13~16は夏季休業
入館料:無料
URL:https://www.origamikaikan.co.jp/

2.ドラード和世陀(早稲田)

お次は、新宿区早稲田にある建築家・梵寿綱(ぼんじゅこう)さんがデザインされたマンション『ドラード和世陀』へ。梵寿綱さんは日本のガウディとも呼ばれる方で、彼の建築物はマンションであっても独創的です。

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正面に近づいてみると建物全体に細かい彫刻が施されていて、とてもマンションには見えません。

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こちらは入口の床。タイルで作られた顔らしきものから異国情緒が感じられます。

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窓のふちには、さまざまな模様がパッチワークのように敷き詰められていました。よく見ると、角のようなものがはえた女性やカニなんかもいますね。

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建物の右側面には、ちょっと和風な鬼のような顔も。こうした小さな発見ができるところも楽しいです。

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【広瀬コメント】
ドラード和世陀は、賃貸で借りることもできるそうです。こんなに個性的な物件なのに、もはや地元の人たちになんの違和感も抱かせないほど早稲田の街に馴染んでしまっているところが良いですね。梵寿綱さんの建築は他にも池袋や代田橋といった都内の何ヶ所かで見ることができるので、ぜひネットで調べてみてください。

<施設DATA>
ドラード和世陀
所在地:東京都新宿区早稲田鶴巻町517

3.あさくら画廊(竹ノ塚)

早稲田から移動し、次に訪れたのは足立区竹ノ塚にある『あさくら画廊』。作家の辻修平さんがオーナーを務めるギャラリーです。「こんなところに本当にあるの?」と不安になってしまうほど、普通の住宅街の奥まった場所にあります。

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入口には踏み石のように並べられた木のオブジェが。チョコ・バナナ・パフェ……?

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恐る恐る中に入ってみると、お香の甘い香りが。建物内にはピンクを基調としたさまざまな絵画、オブジェの数々が足元から天井にまで所狭しと並んでいます。オーナーの辻さんは1日中こちらにいらっしゃるそうで、質問をすると若干のらりくらりとしつつも、親切に答えてくれます。

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もともとは辻さんのおばあ様の家だったというこの建物には、キッチンやトイレもあります。

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カオスすぎる空間でどこまでがギャラリーかわからなくなりますが、2階に上がってもOKとのこと。2階へ続くのは、片側が階段でもう一方は滑り台。もちろん滑り台や階段にもオブジェが並んでいます。

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上っても、やっぱりピンク色。2階には壁に描かれた目の大きな女の子と同じテイストの絵が、床やテーブルなどの随所に見られました。

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2階から下るのはなぜか縄ばしご! 怖いので、はこちゃんに先に下りてもらいました。

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【広瀬コメント】
閑静な住宅街にいきなり現れる圧倒的にゆめかわいいギャラリーで、建物内いっぱいにわくわくするような作品がたくさんありました。この密度を体験するだけでも非日常感があって楽しいですよ。全ての作品が販売されているので、次はぜひお気に入りを見つけて購入したいです。滑り台や縄ばしごで運動もできて、謎によい汗をかきました。

なお、あさくら画廊にはエアコンがないそうなので、夏や冬に訪問するときは覚悟して行きましょう!

<施設DATA>
あさくら画廊
所在地:東京都足立区西保木間2‐6‐22
営業時間:7:00~19:00(水曜定休)
入館料:無料
URL:http://asakura11garo.web.fc2.com/

4.赤羽霊園(赤羽)

珍スポットめぐりも、いよいよ終盤! 最後は、北区赤羽にある居酒屋『赤羽霊園』です。居酒屋なのに何がクリエイティブなのか疑問に思われるかもしれませんが、ただの居酒屋ではありません。

さっそく中へ! と思ったら、異様な雰囲気の漂う外観に、はこちゃんが早くも不安を感じているようです。

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それもそのはず。ここは、“お化け屋敷居酒屋”なんです。看板には、「空より生首落下 君は耐えられるか!」と恐ろしいことが書かれています。

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内装もスゴいんです。壁には意味深な女性の絵や、たくさんのドクロが。

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上を見ると、またドクロ。ごく普通の扇風機やドリンクメニューとのコントラストも見どころです。

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飲み放題とお好みでフードを注文すると(「妖怪の干し肉」「髪の毛」「天国と地獄」など、フードもユニークなものばかり)、あとは半強制的にカラオケタイムとなります。そして――これ以上ネタバレをすると面白くないので、ぜひ前情報なしで訪れてほしいです!

【広瀬コメント】
ここには怖がりな人と一緒に行きましょう!(リアクションが大きいと、マスターも大喜び!)入店後、1時間もすればこんなノリになれます。

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<施設DATA>
赤羽霊園
所在地:東京都北区赤羽1-35−8
営業時間:19:00〜

珍スポット発掘のすすめ

珍スポットを訪れると、猛烈な執念のなせる技に恐れ慄いたり、あまりのゆるさに脱力したりと、とにかく何かしらのパワーをもらえます。こうした刺激を受けることで、制作の仕事にもプラスに作用すると私は思っています。

今回は4ヶ所をご紹介しましたが、あなたの創造力を刺激する珍スポットは身近な場所にもあるかもしれません。珍スポットを探すポイントは次の2つです。

(1)日常を疑う
普段何気なく見ている景色にも、案外普通ではないものが混じっていることに気づきましょう。どこか変なネーミング、キャラクター、建物、人物などを見つけられるはずです。あとは、少し勇気を出して近くまで行って見てみましょう。

(2)日常から離れる
散歩がてら、知らない場所を歩いてみましょう。その際は、ちょっとした違和感も見逃さないように! 自分の足で珍スポットが見つかれば、そこはあなたにとって特別な場所になるはずです。

こういった場所は、いい感じに寂れていたり人目につきにくかったりするため、すいていることも多いです。人気スポットが特に混みあうこの時期こそ、珍スポットに足を向けて創造力を磨いてくださいね!

構成:福田さや香

写真:島田恵一、福田さや香