
【開発秘話】コロナ禍の中、歯科医院と患者をつなぐDENTALINEをローンチした理由

- シグナルバナナ編集部
こんにちは。シグナルバナナ編集部です。
シグナルは歯科開業支援を行うインサイトと共同で、LINEを活用した歯科医院と患者のコミュニケーション支援サービス「DENTALINE(デンタライン)」の提供をスタートしました。
今、なぜ歯科医院と患者のコミュニケーションのデジタルシフトが必要とされ、そしてDENTALINEを通じてどのような価値を提供していくのか。インサイト社長の濱日出男さん、シグナル社長の草場大輔さん、SNSディレクターの奥原祐太さんに話を聞きました。
コミュニケーションが途絶えると来院率が低下
――DENTALINEは、どのような経緯で生まれたのでしょうか?インサイトさんとシグナルの出会いから教えてください。
草場:まず、高知のKUROSHIO BASE設立を機に知り合った方から、「歯科医院と患者をつなぐサービスを開発したい人がいる」と、濱さんを紹介いただいたのが始まりです。
これまでシグナルはコミュニケーション支援に強みを持ちつつも、歯科業界はまったくの未開のゾーンでした。なので、濱さんのご相談を伺った時は、歯科業界に造詣の深いインサイトさんとコミュニケーションに強いシグナルが組むことで、面白いことができそうだなと直感的に思いました。
濱:もともと、昨今求められている予防医療と歯科医院の経営安定化という2つの観点から、歯科医院と患者をつなぐ方法が何かないかと探していました。
というのも、歯科医院と患者さんのコミュニケーションは、いまだに定期健診のお知らせを郵送するなどのアナログ手法が主流で、デジタル化が進んでいません。その結果、コミュニケーションが途絶えて来院率が下がってしまうという現状があるんです。
――確かに、つい足が遠のいてしまうことってありますね……。ちなみに、偶然にも濱さんは奥原さんの高校時代の先輩だったとか。
奥原:濱さんとは学年が違いましたが、しゃれてて周りにいつも友人がいるタイプだったので、当時から知ってました。今回、たまたまご一緒できることになり、打ち合わせの時に顔を合わせてびっくりしました。
濱:高校時代はあまり接点がなかったんですけど、共通の友人が多く、卒業後も祐太が参加しているライブや飲み会で顔を合わせたりしていましたね。僕もこんな偶然があるのかと、驚きました。
コンテンツやSNS運用のノウハウを歯科医院に提供
――今回、サービスの開発にあたり、コミュニケーションツールとしてLINEを選んだ理由は?
奥原:狭い診療圏内における歯科医院と患者の1対1のコミュニケーションの形が想定されること、接触回数を増やすためのプッシュ型のコンテンツ配信が可能なことなどから、LINEを選択しました。前提として、LINEが日本国民のコミュニケーションインフラと化していることも大きかったです。
――DENTALINEの提供において、インサイトさんとシグナルはそれぞれどのような役割を担っているのでしょうか。
濱:インサイトは歯科業界にコンサルティングを提供してきた中で培った知見やネットワークを活用し、患者さんへのコンテンツ配信に活用いただける情報の提供や、コミュニケーションのデジタルシフトに向けたコンサルティングを行います。
奥原:シグナルは企業のSNS運用のコンサルティングをしてきた経験を活かし、どのような言葉、クリエイティブを用いて、いつ投稿すべきなのかといった細かい運用ノウハウを歯科医院にご提供していきます。
PR会社であるシグナルがお手伝いすることで、単にSNS運用という狭い視点ではなく、ファンマーケティングの観点で患者さんにアプローチすることを可能にします。
新型コロナを背景にローンチを前倒し
――サービスのローンチと同時に、新型コロナウイルス感染拡大に伴って一部メニューの無償提供を開始しています。このタイミングでのローンチと、無償提供に込めた思いを教えてください。
濱:歯科医院は飛沫感染への懸念から定期健診の自粛が要請され、緊急事態宣言以降、来院者数が大幅に減少しています。離れてしまった患者さんが収束後に戻ってきてくれる保証もなく、多くの歯科医院が今後の経営に不安を抱えている状況です。
実のところ、僕はDENTALINEの話はリスケしましょうと提案したんですが、草場さんからは「こんな状況だからこそサービスを前倒しで提供しましょう」と言っていただき、急ピッチでローンチにこぎつけました。ぜひ、来院できない患者さんとのコミュニケーションを途切れさせないために活用いただきたいと思います。
草場:新型コロナが収束するまで待っていては遅すぎると思い、判断しました。さらに、この歯科医院が苦境に陥っている中、何か僕らが協力できることはないかと、社会貢献として一部のメニューの無償提供も決めました。我々としても、この無償提供を活用して、歯科医院さんにサービスのメリットを体感していただけたらうれしいです。
歯科医院と患者がポジティブに関わる社会へ
――最後に、DENTALINEの提供を通じて実現していきたいことを教えてください。
濱:インサイトの使命は、歯科医療従事者への貢献を通じ、地域も社会も豊かにしていくことです。人生100年時代と言われますが、生活習慣病やアルツハイマー病などのリスクを軽減させて生涯を健康に生きていくために、口腔ケアは切っても切り離せません。
社会的にコミュニケーションが変化しつつある今は、地域の患者さんの口腔衛生を守る歯科医院も変化し、新たな情報発信をしていくことが求められるフェーズ。DENTALINEの提供は、そのための業界内でも全く新しい挑戦です。このサービスを通じ、もっと歯科医院と患者がポジティブに関わり合う社会をつくっていければと思っています。
草場:僕は仕事をする上では常に現場視点、いちユーザーとしての視点を持って考えるようにしています。個人的にもコミュニケーションが途切れて歯科医院に行かなくなった経験があり、こうした課題を自分たちの手で変えていけると思うと非常にワクワクします。
シグナルは「すべての情報がPR+αで正しく伝わる世界を創造する」をビジョンとしていますが、まさに今回は+αとしてLINEをうまく活用し、歯科医院と地域の患者さんの間で情報が正しく伝わる仕組みをつくる仕事。インサイトさんがお持ちの歯科医療に対するビジョンを実現するため、サポートしていきます。
【参考リンク】
歯科医院と患者を繋ぐ、コミュニケーションのデジタルシフトを加速 『DENTALINE(デンタライン)』 2020年5月11日(月)より一部無償提供開始