
【2020年4月最新】新型コロナの影響は?2020年5大SNSアップデート情報
- 奥原祐太 | Yuta Okuhara
- 株式会社シグナル SNSディレクター
こんにちは。SNSディレクターの奥原です。
世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス。私も外出自粛に伴ってリモートワークに移行し、自宅でこの記事を執筆しています。ちなみに、横で息子が私の脇腹にアンパンチを繰り出しています。
さて、コロナ禍にあってもSNSの動きは止まりません。主要SNSであるTwitter、Instagram、Facebok、LINE、TikTokの2020年1月から4月までのアップデートをまとめました。
新型コロナ関連の機能追加・更新情報
「おうち時間(stay home)」スタンプをローンチ
SNSプラットフォームにも、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた取り組みが広がっています。Instagramでは、ストーリーズで使える「おうち時間」スタンプがローンチされました。外出自粛に伴う自宅での過ごし方をポジティブに発信できるInstagramらしいポップな取り組みですね。
さらに、医療従事者に感謝の気持ちを表現する「みんなの健康を守ってくれてありがとう」スタンプや、社会インフラを担う人々や周囲の人々に感謝を伝える「今日の感謝」スタンプもローンチ。毎日19時からの1時間、このスタンプを使っている投稿をまとめた「今日の感謝」ストーリーズが期間限定でホーム画面に表示されるようになりました(フォローしている人のストーリーズにのみ表示)。
信頼できる情報源を表示する機能を追加
Instagram「コロナウイルス」の検索結果
Instagramで新型コロナウイルスに関する情報を検索すると、上位にWHOや現地の保健機関などの情報を紹介するポップアップが表示されるようになりました。ユーザーに、より信頼できる情報源へのアクセスを提供することが狙いです。
その他の機能追加・更新情報
「最も交流のない人」を表示する新機能
「フォロー中」一覧の上部に表示される
フォロー中のアカウントを確認・整理するための新機能が追加されました。このアップデートにより、フォロワーのエンゲージメント創出がより重要になってきました。企業はユーザーに“整理”されてしまわないために、一方的な発信ではなく、インタラクティブなコミュニケーションを行っていく努力が求められます。
好きな曲をストーリーズのBGMにできる「ミュージックスタンプ」が登場
ストーリーズ投稿に、国内外の多数の楽曲から好きな曲を追加できる機能がローンチされています。楽曲は1投稿に最大15秒。「ミュージックスタンプ」を好きな場所に配置することで、BGM再生・歌詞表示が可能になります。
Web版InstagramにDM機能追加
ついにWeb版Instagramからダイレクトメッセージ(DM)が送れるようになりました。プレゼントキャンペーンなどの当選連絡を毎回アプリから行っていた企業にとっては朗報ですね。
新型コロナ関連の機能追加・更新情報
新型コロナに関するデマに削除要請
Twitterは、「漂白剤を飲めば新型コロナは治る」などの誤った情報や、「食料品がなくなるのでスーパーで買いだめしよう」などの社会的な混乱を引き起こすようなデマが含まれるツイートについて、削除を要請すると発表しました。
また、「新型コロナウイルス専門家」に認証バッジを付与しており、すでに数百件を認証済です。良くも悪くも情報が拡散しやすいTwitterですから、より信頼できる情報発信の場となるための取り組みが進められています。
その他の機能追加・更新情報
Twitter版ストーリーズ「Fleet」がブラジルでテスト開始
Twitter版のストーリーズとも言える「Fleet」のテストがブラジルで開始されました。Fleetの投稿はフォロワーにのみ表示され、24時間で消滅します。通常のツイートよりも気軽に投稿でき、フォロワーとのコミュニケーションもより進みそうなアップデートです。
Fleets are a way to share fleeting thoughts. Unlike Tweets, Fleets disappear after 24 hours and don’t get Retweets, Likes, or public replies– people can only react to your Fleets with DMs. Instead of showing up in people’s timelines, Fleets are viewed by tapping on your avatar. pic.twitter.com/sWwsExRLcJ
— Kayvon Beykpour (@kayvz) March 4, 2020
なお、フォローしていない相手のFleetでも、ユーザーがプロフィールを公開していれば、プロフィールページから見ることができます。
リプライできるユーザーの制限オプションを計画
Twitterは、ツイートにリプライできる人を制限できるオプションを計画しています。
制限レベルは、誰でもリプライ可・ツイート主がフォロー中のアカウントとメンションしたアカウントのみ・メンションしたアカウントのみ・リプライ不可の4種類。特にリプライ不可のツイートが可能になる点に関しては賛否両論ありそうですね。企業の場合は炎上防止の観点から、リプライを不可にしてツイートする企業が増えると推測されます。
新型コロナ関連の機能追加・更新情報
新型コロナに関してのデマや有害コンテンツの規制対策を実施
Facebookのニュースフィード画面
Facebookのアプリ内では、1月よりすべての国のニュースフィードのトップに、WHO、CDC、地域の保健当局から発表された新型コロナウイルスの情報にアクセスできるポップアップを表示しています。
さらにWHOを含む保健当局に無料広告を提供し、多くの人が正しい最新情報を手にすることができるようにしています。「世界最大のプラットフォームの責務を果たす」という意味で、この辺の対応はとても早い印象です。
新型コロナにより利用急増。「安定性維持が通常より困難」
外出自粛の影響で、Facebookが提供するサービスの利用が「前例のない規模」で急増しています。その上、Facebook社のほとんどの従業員がテレワークで作業しているため、「サービスの安定性を維持するのは通常より困難」だと発表しました。
新型コロナウイルスの影響で、広告審査が遅れる可能性があります。
以下2点をご考慮いただき、遅延リスク軽減のご理解とご協力をお願いします。
・既存広告の変更点は予算、終了日などのみ。新たな審査を作らない。
・既存広告の効率が良い場合、既存広告を延長。https://t.co/aOyiNjgw85— Instagram & Facebook マーケティング JP (@FBBusinessJP) April 16, 2020
広告配信の審査が遅れる可能性がある旨も発表されており、企業アカウントは早めに広告プランを立てて対策する必要があります。
その他の機能追加・更新情報
「Facebook外のアクティビティ」管理ツールが追加
インターネット上でFacebookがユーザーをどのように追跡するかを、ユーザー自身が管理できるツールの提供が全世界に拡大されました。履歴を削除するだけでなく、将来の追跡も無効にできます。Facebook広告は詳細なターゲティングが売りなので、このアップデートがどのように広告配信に影響するか注視しなければなりません。
LINE
新型コロナ関連の機能追加・更新情報
厚労省と新型コロナ対策で連携、全ユーザー対象調査を実施
LINEは、厚生労働省と連携し、日本全国のLINEユーザーを対象に新型コロナウイルスに関する調査を実施しました。LINEの月間アクティブユーザー数は約8,300万人と、日本最大のユーザー数を誇るSNSとなっており、今回の施策は感染状況の把握や感染拡大防止のための非常に有効な使い方と言えます。
グループビデオ通話に「画面シェア」の新機能
「テレワーク」や「サテライト授業」が増えたことを背景に、年内のリリースが予定されていたグループビデオでの「画面シェア」機能が前倒しで実装されました。画面を共有する際はPC版のLINEが必要となります。共有画面はスマートフォン端末でも閲覧可能です。
その他の機能追加・更新情報
トークリスト最上部に表示される動画広告「Talk Head View」を提供
LINEアプリのトークリスト最上部に動画広告を配信する「Talk Head View」が提供開始されました。表示されたバナー(静止画)広告をユーザーがタップすると、広告枠が拡大表示されて動画広告が再生されます。
媒体資料によると、「1日で約5,000万UU以上という爆発的なリーチ力があるため、商品認知やブランドリフトに大きく貢献できる」とのこと。配信は1日1社限定です。
TikTok
新型コロナ関連の機能追加・更新情報
アプリに新型コロナウイルス感染状況を表示
TikTok「コロナウイルス」ページ
TikTokは、国内外の新型コロナウイルスに関する感染者数や死亡者数の推移などを表示する「コロナウイルス」ページをアプリに追加しています。私も見ましたが非常に見やすく、こういったアップデートはユーザーの信頼を勝ち得ると思います。
WHOや東京都も手洗いの重要性の訴求にTikTokを活用しており、TikTokは公的機関も利用するマスプラットフォームになりつつあります。公的機関が次々と参入することによりプラットフォームとしての信頼性や、ユーザーの質が向上すると予想されます。
TikTok活用を躊躇している企業も多いかと思いますが、まだブルーオーシャンと言える状態ですので、信頼性が高まりつつある今こそ活用方法を検討してみてはいかがでしょうか?
その他の機能追加・更新情報
TikTokのモバイル広告投下、半年で75倍に
データ計測企業「Singular」の調査によると、TikTokは1年間で6億1,400万回ダウンロードされ、その広告費は2019年5月から2019年11月にかけて75倍に成長しているとのことです。
また、デイリーアクティブユーザーが4億人を突破(ちなみにInstagramが5億、Twitterが1.5億です)。ティーンが踊るプラットフォームから、着実に巨大プラットフォームへ成長していると考えられます。
今後、著名なインフルエンサーの活用も増え、一般ユーザーもそれに伴い増加していくと推察されます。また、中小企業がセルフで広告配信ができる「TikTok Adsオンラインアカウント」が4月22日から開始されたので、今後参入する広告主が増加すると予想されます。
ウィズコロナ、ポストコロナ時代に求められるソーシャルコミュニケーションとは
新型コロナウイルスの感染拡大はいつまで続くかまだまだ分からない状況です。引き続き外出自粛が求められており、コミュニケーションもオフラインからオンラインへと急激に変化しています。
それに伴い、気軽に情報収集ができ、友達や家族、同僚と繋がることができるSNSの利用者も増加していくと予想されます。企業のSNSアカウント担当者は、この状況でできるユーザーとのコミュニケーションを考えていかなくてはなりません。
SNS上では、広告的なコミュニケーションは淘汰され、よりユーザーライクなブランドコミュニケーションやソーシャルグッドな施策が求められていくと思われます。
ブランド認知から売上までをオンラインで繋げなくてはならない厳しい状況ではありますが、ユーザーの持つ課題や解決策をSNSから汲み取るチャンスでもあります。このような時代だからこそ真摯で誠実なソーシャル(社会的な)コミュニケーションが必要なのです。よりよい社会になるようにともに頑張って乗り越えましょう。