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SPECIAL2019.9.20 (Fri)

「いいね」非表示でSNSはどう変わる? 2019年7月~9月のSNSトレンドレポート

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  • 奥原祐太 | Yuta Okuhara
  • 株式会社シグナル SNSディレクター

こんにちは。SNSディレクターの奥原です。
これまで半期ごとに主要SNSのトレンドを振り返ってきましたが、今回から3ヶ月単位で、よりタイムリーな動きを追っていきます。

この3ヶ月間にも、Instagramの「いいね!」非表示がついに日本でもテスト開始となるなど(僕も対象です)、さまざまな動きがありました。SNSの代名詞とも言える「いいね!」。これがなくなることにより何が起こるのでしょうか。各プラットフォームの仕様変更やニュースとともに見ていきましょう。

2019年7月~9月における主要SNSの動向

1.Twitter

大きな動き

Twitterの黒字化は止まりません。第2四半期は広告が好調で売上高18%増の914億円となりました。日本が変わらず世界で2番目に大きなマーケットとなっており、売上高は前年比9%増の1億3300万ドルでした。また、機能のマイナーアップデートが盛んに行われています。

機能追加・更新情報

ツイートに付いたリプライを隠すことができる機能のテストを、カナダに続き日本とアメリカでも開始しました。Twitterはこの機能により会話をより詳細に制御できるとしています。非表示にしたリプライはコメントした本人以外には見えません。懸念点として、都合の悪いリプライを非表示にできてしまうことで建設的な議論ができなくなる可能性もあります。

トピックのフォロー機能も一部でテストされており、いずれはアカウント単位ではなく興味関心軸でのフォローが可能となりそうです。不必要なものを排除し、より各ユーザーの興味関心にあったタイムラインにカスタマイズできる仕様となっていくでしょう。

また、Web版であるTwitter.comの表示が3カラムの新デザインとなりました。DM機能もアップデートに伴って検索機能が追加され、スパムなどのDMを未読のままで削除可能になりました。

動画広告に関してもアップデートがありました。キャンペーンの入札単位として新たに「動画の50%表示で6秒再生されたタイミングで課金」という選択肢が追加され、従来の「動画の100%表示で3秒以上」「動画の50%表示で2秒以上」より、長い視聴時間で課金される方式を選択できるようになりました。課金までの時間が長い選択肢ができたことにより、企業側が伝えたいメッセージをより深くターゲットに届けたいケースに対応が可能になりました。

その他、宗教グループを対象とするヘイト発言を禁止するなど、プラットフォームをより健全にする取り組みは続いています。

2.Instagram

大きな動き

Instagramは7月18日、カナダでテストを開始していた「いいね!」数を非表示にするテストの対象国を拡大したと発表しました。現在、日本でも「いいね!」数を非表示にするテストが行われています。テストの対象国となっているのはオーストラリア、ブラジル、カナダ、アイルランド、イタリア、日本、ニュージーランドの7カ国です。

Instagramの広報は、「いいね!」数が一部のインフルエンサーなどにとって重要な指標になっていることは理解しているとした上で、「自身の価値をブランドパートナーに伝える方法については別途検討している」とコメントしました。また、このテストによって「いいね!」数が見えなくなるのは自分以外のユーザーによる投稿のみで、自分の投稿の「いいね!」数は引き続き見ることができます。

衝撃的なニュースとして、ついにファッション情報の検索において、「Instagram」が「Google」を抜いたことも報じられました。ジャストシステムの調査では、スマートフォンで流行のファッション情報を調べる方法について尋ねたところ、「Instagram」を利用する人が29.4%と最も多く、次いで「Google」が28.3%という結果だったとのこと。ファッションは多くのInstagramユーザーにとって注目度の高いカテゴリとなっており、よりリアルな情報が取得できるという魅力が評価につながっているようです。

FacebookがInstagramの名称を「Instagram from Facebook」に変更する計画であることも報じられています。InstagramがFacebook傘下にあることを知らないアメリカ人はなんと6割いるという調査結果もあり、Facebookの低調気味な運営をカバーする施策の一環と思われます。

機能追加・更新情報

新機能としては、ストーリーズから直接会話をリクエストできる「チャット」機能をローンチし、投稿ごとにユーザーコミュニケーションが図れるようになりました。

また、ついに投稿予約が可能になります。企業アカウントを運用している皆さまには朗報ではないでしょうか。今までは一部のサードパーティのツールを利用することで予約可能でしたが、公式の機能としては初です。最長6カ月前からスケジューリングが可能とのこと。IGTVも同様の機能がつくようです。ストーリーの予約に関してはまだ正式な発表はありません。

いじめ対策やフェイクニュースの通報といったプラットフォームの健全化にも力をいれており、AIを活用して不快な投稿やフェイクニュースを検知、対処するためのアップデートが行われました。

7月に行われた第25回参院選時には、若い世代の選挙への関心を高めるための「選挙スタンプ」を、日本で初めてローンチしました。日本では政治の話はタブーという風潮があり、選挙への関心や投票率の低下が社会的な問題となっています。Instagramのように多くのユーザーを抱えるプラットフォームが国民の政治参加を支えるのは、良い取り組みではないかと考えます。

3.Facebook

大きな動き

Facebookの国内MAUが2800万人(2017年9月時点の公式発表)から2600万人へと減少していたことが明らかになりました。日本ではますますFacebook離れが進んでおり、若年層でFacebookを活用している人はすでに10~20%と言われています。

こうした中、Facebookのニュースフィードでも「いいね!」非表示テストを計画中というニュースが飛び込んできました。Instagramの「いいね!」非表示と同様に、よりコンテンツに注目してほしいという狙いがあります。

機能追加・更新情報

モバイルニュースフィードの画像サイズと表示テキスト行数の変更が発表されました。テキストの表示量が、従来の最大7行から最大3行に変更となり、より最初のアテンションで興味を引けるかが重要になってきます。

画像とビデオのアスペクト比(縦横比)は4:5になるとのこと。正方形に近い表示となって画面占有率が上がるため、インパクトのある画像が有用になってきそうです。ただ、プラットフォームごとに縦横比が変わるのは、企業アカウント運用者にとっては面倒なことになりそうですね。

広告に関しては、ユーザーの行動履歴について外部との共有を確認・切断するツール「Facebook外のアクティビティ」の提供が開始されます。ターゲティングに使われるWebサイトの閲覧履歴やフォーム情報などが、ユーザー自身で削除できるようになります。また、最初から情報を収集させないように設定することもできます。広告運用を行う企業にとっては厳しいアップデートと言えるでしょう。なお、日本でのローンチは2019年9月時点では確認されておらず、時期は不明です。

4.その他のSNS

LINE

LINEアカウントを持っていれば誰でも匿名で参加できる「OpenChat(オープンチャット)」が注目されています。しかし、ローンチ直後、通知が止まらない、ルームの設定画面に移れなくてグループから退会できないなど問題が多発しました。早速対策を講じているようです。

開始早々につまずいた形ではありますが、このサービスは商品に対するコメント収集や、オンラインサロンとしてファンミーティングなどに活用できるなど、企業にとって大きな可能性を秘めています。上手に活用し、ユーザーとコミュニケーションをとってみてはいかがでしょうか。

TikTok

投稿した動画のデータ分析が可能になる「TikTokプロアカウント」の提供が開始され、ついに一般ユーザーもインサイト分析が可能となりました。これにより、動画の視聴状況、フォロワー数、プロフィールの表示回数がグラフ表示で確認可能となっています。

投稿単位では、1週間以内に投稿された動画のいいね数、コメント数、共有数、合計再生時間、合計視聴回数、平均視聴時間、トラフィックソース、視聴者の所在地などが確認できます。フォロワー数については、現在のフォロワー数、性別、主な地域の分析などが可能です。こうした機能の活用により、運用の改善が図りやすくなることが期待されます。

「いいね」非表示によってSNSの世界に何が起こるのか

「いいね」数の非表示に向けた検討が、いよいよ各プラットフォームで開始されました。Twitterでも実は、共同創業者のビズ・ストーン氏が「twttr」というプロトタイプを開発し、「いいね」やリツイートを非表示にするテストを行っています。

「いいね」数を気にしすぎて、商品やサービスの投稿そのものの価値がわかりにくくなっており、また、他者の「いいね」数と比較して、自信を失うユーザーも増えています。健全にプラットフォームを活用してもらうため、非表示化は避けられない流れなのかもしれません。

この動きに一番打撃を受けるのが、「いいね」数を商品としているインフルエンサーでしょう。「いいね」数を売買するような本質的ではないインフルエンサーは今後淘汰され、本当に熱量を込めて商品をPRできる人だけが生き残っていく時代になると思われます。「いいね」の数ではなく、「本当にいいねと思った人の数」が今後重要になってくるのではないでしょうか。

また、今後予想されることとして、「いいね」を楽しみにしている(生きがいともいえる)ユーザーの離脱が一定数起こることが挙げられます。が、長期的な目線で考えると、「他人が『いいね』をたくさん押しているから」という評価指標が消えることで、より自分が良いと思ったものに「いいね」を押す傾向が強まると考えられます。むしろ、企業アカウントを運営している側にとっては本質的な意味で「いいね」の重要性がより高まると言えるでしょう。

構成:福田さや香