
フォロワーを増やしたい企業のためのInstagram運用のコツ
- 蛯谷颯一郎 | Soichiro Ebiya
- 株式会社シグナル SNSディレクター
こんにちは。SNSディレクターの蛯谷です。
Instagram(インスタ)の勢いは2018年に入っても衰えておらず、企業にとっては他のSNSに比べてリーチを伸ばせる余地を大いに有しています。ですが、「インスタ映え」をはじめとする独特の文化を持つなど、その特性から使いこなすのが難しいと考える企業も多いようです。
そこで今回はインスタの文化を中心に、企業アカウントがフォロワーを伸ばすために知っておきたいポイントを解説したいと思います。
Instagramのアカウントには「世界観」が求められる
インスタにおいて、アカウントをフォローしてもらえるかどうかはプロフィールページの印象によって左右されます。ユーザーは投稿単体に興味を持ったとしても、プロフィールページをチェックして、そこに自分が憧れるような「世界観」が出来上がっていなければ進んでフォローしようとはしません。これはインスタの大きな特徴と言えるでしょう。つまり、投稿する際には単体で考えるのではなく、プロフィールページに画像がどのように並ぶのかを考える必要があるのです。
もし、まだアカウントの世界観ができていないのであれば、今からでもつくることをおすすめします。その場合は個々の投稿内容を考える前に、まず全体的な印象を決めておきましょう。同業他社のアカウントを「かわいい系 or クール系」「プロダクト主体 or シチュエーション主体」の2軸でマッピングし、自社はどこを目指したいかを決めるのも手です。
上記の方針が決まったら、自社の商材と相性がよく、なおかつ与えたい印象に近い投稿をしているインフルエンサーのプロフィールページを研究してみましょう。商材に関連したハッシュタグで検索をかければ相性のいい人が見つかりやすいです。どのような見せ方をしているか、画像からどのようなストーリーを感じるかなど、参考になると思います。
研究をしていくと気づかれるかと思いますが、インスタの活用が上手いアカウントは前後の文脈を感じさせる投稿をしています。たとえば、お菓子メーカーならパッケージをただ写すのではなく、そのお菓子を使ったパーティー料理を紹介するなど、ユーザーが利用シーンを思い浮かべられるようにしているのです。こうした文脈が総合的に世界観をつくっていることも意識しておくべきでしょう。
どのような画像を用意すればいいのか
フォロワー数を伸ばすにはプロフィールページの世界観が大切ということをお話ししましたが、それを支えるのは画像のクオリティです。とは言っても、Instagramの場合は広告のようにプロのカメラマンに撮影してもらうばかりがすべてではありません。スマートフォンで撮影しても、こだわりを感じる画像であればよいのです。ここでもインフルエンサーの撮影テクニックを参考にしてみましょう。人気のインフルエンサーは、あえていつも同じ構図で撮影していたり、インスタ映えする角度を研究して撮っていたりと、実はさまざまなテクニックを使っているものです。
また、撮影した画像の加工も重要です。フィルターを使って色調を統一したり、すべての画像に白枠をつけたりなど、画像が並んだときにバラバラな印象を与えないようにするのです。少しメリハリをつけるのであれば、投稿を行単位または列単位、もしくは3行×3列などのブロック単位で統一するのも有効です。
もし、幅広い商品を扱っていてバラバラな印象を与えることが心配なら、ダイソーのアカウントが参考になるかもしれません。100円ショップを運営する大創産業は多種多様な商品を扱っていますが、バリエーションの多さを利用して配置やテーマを設計することで、全体として華やかでかわいい印象を与えることに成功しています。
ちなみに、自社の商品・サービスに関連しない画像はPRの観点で言えば効果が出にくいため、おすすめとは言えません。パッケージそのものでなくてもブランドや商品を想起させる写真を撮影しましょう。
流入をアップさせるハッシュタグ設定とは
フォローされる際には世界観や画像が重視されますが、まずハッシュタグで検索されなければ既存ファン以外との接点が作れません。つまりフォロワー獲得のためには、投稿にどのようなハッシュタグを含めるかも無視できない要素なのです。
僕のおすすめは、投稿ボリュームの大きいハッシュタグから小さいハッシュタグまでを組み合わせる方法です。たとえば、投稿ボリュームの大きい「#インテリア」、中程度の「#インテリアコーデ」、そしてボリュームの小さいブランド独自のハッシュタグといった具合です。なぜこうした組み合わせをするのかというと、ハッシュタグは大・中・小それぞれに役割が違うからです。
たとえば「#インテリア」は検索されやすい反面、投稿する人が多いためにすぐ流れていってしまいます。つまり、投稿直後に大きな流入を狙うためのハッシュタグと考えるべきです。それに対し、「#インテリアコーデ」は競争率が下がるため、このハッシュタグで人気になることを狙い、うまくいけば人気投稿として検索画面の上位に表示される可能性も出てきます。
最後に独自のハッシュタグは、投稿を気に入ってくれたフォロワーと一緒に使うためのものです。これを設定しておくことで、商品が写った画像をフォロワーが同じハッシュタグを使って投稿してくれるかもしれません。直接的な流入ではなく、ブランドの認知拡大のために設定するハッシュタグというわけです。
ハッシュタグは、一般に10個以上設定するとユーザーからの反応がよいとされています。投稿ボリューム大・中・小のハッシュタグをまんべんなく組み合わせ、合計10個以上となるように設定しましょう。
Instagram特有の文化を理解するには
ここまでで、インスタには独特の文化圏が成立していることをご理解いただけたのではないでしょうか。インスタユーザーは、「インスタ映え」という曖昧ながらも共通した概念を持っています。この概念をつかむには、アカウントの運用者自身がインスタに興味を持ち、日頃から積極的に利用していくことも必要でしょう。インスタを好きになることも、運用のコツの一つと言えるのかもしれません。