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HOW TO2017.4.28 (Fri)

生まれつきセンスが良くなくても大丈夫! 簡単に実践できるセンスの磨き方

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  • 寺尾絵梨香 | Erika Terao
  • 株式会社シグナル Webディレクター

こんにちは。Webディレクターの寺尾です。
世の中には自分の「センス」に自信がある人・ない人がいますが、そもそもセンスってどこからやってくると思いますか? 私はかつてセンスに自信がない人の代表でした。美術の成績はイマイチ、服のセンスは親からダメ出しをされ、過去に経験したWebデザインでは自分の色彩センスのなさに絶望し……と、コンプレックスを抱えていました。

とはいえ、Webディレクターにもセンスは必要。センスがなければ、クライアントへの提案やデザインに対する判断ができません。そこで、センスを磨くためにいろいろな方法を試してみました。センスは生まれつきのものだとか、長い年月をかけて形成されたもので今さら変えられないとか思われがちですが、本当は知識や経験によって磨けるんです。現に私は、以前よりも自信を持ってクライアントやデザイナーと向き合えるようになっています。

今回はセンスに悩む人のために、私がセンスを磨くために実践してきた簡単にできる方法をご紹介します。

センスを磨くために私が実践したこと

センスを磨くと言っても、いきなりデザインの勉強をするとか、おしゃれなクリエイターと交流するとか、そんなハードルの高いことはしません。センスに自信がない人がそんなことをすれば、かえってコンプレックスが刺激されてしまいます。私の場合、無理なく日常に取り入れられる方法から始めました。

(1)制作物の展示から目の付け所を学ぶ

基本的な方法ですが、まずは展示会などに足を運んで美術作品、広告デザイン、プロダクトデザイン、建築物などを見るようにしました。特に勉強になったのは、グッドデザイン賞受賞作品の展示会です。使い勝手がよく、デザイン性の高いプロダクトを見ることができるのはもちろんのこと、注目すべきは審査員の評価。金賞を受賞した作品の評価を見れば、プロフェッショナルである審査員がどういった点に目を付けたのかがわかります。そこから、自分にない視点を学ぶんです。

もしかすると、WebディレクターならWebサイトを見たほうが近道ではないかと思う方もいるかもしれませんね。もちろん、Webサイトのトレンドを押さえることも重要です。ただし、ここで大切なのは見たものをそのまま仕事に活かすことではなく、引き出しをたくさん作ることです。直接仕事に関連しないものであっても、よい制作物を見てそのパターンを引き出しにしまっておくと、アイデアが必要になったときのヒントになってくれます。

(2) クリエイターとの交流は自分の行動範囲内で

自分と違う年齢層の人、違うものを作っている人と交流すると、自分にないセンスを吸収できる可能性が高いです。でも、クリエイター同士の交流会って、センスに自信がない人から見るとちょっと入って行けない雰囲気……。正直に言うと私は苦手なので、そういった会には参加しません。

その代わり、地元の商店街でフリーペーパーを作っている人が主催する地域の会に参加したり、制作に携わっている友人と話をしたり、無理のない交流をしています。地域の会は、地元の編集者やプロダクトデザイナー、カメラマンといった若手クリエイターも参加している集まりで、お気に入りのコーヒーショップに置いてあったフリーペーパーをきっかけに知りました。クリエイター以外も気軽に参加できる会ですし、好きなお店を通じて知ったことで、抵抗感なく参加することができたのだと思います。

無理に背伸びしなくても、周囲の人が作ったものを見せてもらったり、自分の考えに対して意見をもらったりする中で学ぶことは多くあります。まずは自分の行動範囲の中で交流してみるのがおすすめです。

(3)色彩センスはフランス映画に学ぶ

フランス映画は、「つまらない」と言われることも多いのですが、色使いが上手な作品が多いので色彩センスを磨くのに役立ちます。特に色彩がキレイなのは、『アメリ』で有名なジャン=ピエール・ジュネ監督の作品。その中でも、私のおすすめは鮮やかでありながら味のある色使いが特徴の、コミカルな復讐劇『ミックマック』です。

映画のいいところは色彩だけではなく、演出も学べるところ。見終わった後は、「なぜ面白かったのか?」を考えるようにしています。たとえば、「よくあるストーリーなのにどうして面白いのか?」を考えてみると、スタンダードを盛り上げるためのうまい見せ方をしていることに気が付きます。それを友人に話して相手の意見も聞くのも、新たな発見ができるのでおすすめです。

普通に映画を見るよりも頭を使うことになりますが、こうした蓄積がセンスを磨くことにつながり、動画制作にも役立っているように思います。

「このやり方で良かったんだ」と思わせてくれた本

ご紹介してきた方法は自分なりにいろいろと試した中で見つけたものですが、ここへ書くにあたって、背中を押してくれた本があります。それは、クリエイティブディレクターである水野学さんの『「売る」から、「売れる」へ。水野学のブランディングデザイン講義』という本です。

本の中で水野さんは、知識を蓄積することでセンスは磨けるのだということを教えてくれます。美大を出ているかとか、生まれ持ってセンスがいいかということは関係ありません。そのことに私は勇気づけられ、これまでしてきた努力は間違っていなかったと思えました。

どれも簡単な方法ばかりですが、行動することでセンスは磨かれていきます。ぜひ試してみてください。

構成:福田さや香