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CASE STUDY2017.4.14 (Fri)

【事例】「ブランドコンセプトが定着しない!」を解消したウェアラブル活動量計の新商品発表会

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  • 戸部真那未 | Manami Tobe
  • 株式会社シグナル メディアプロモーター

こんにちは。メディアプロモーターの戸部です。
メディア関係者向けの新商品発表会では、メーカーが記者に対しての特徴や良さを説明する形式がスタンダードです。しかし、シンプルな機能や特徴を備えた商品の場合、言葉だけでその利便性を十分にイメージさせることは難しいもの。こうした商品を、新商品発表会という場で効果的にアピールするにはどうすればいいのでしょうか?

今回は、新商品の利用シーンをリアルに再現することでこの課題を解決した、活動量計『MISFIT RAY』のケースをご紹介します。

新商品の発表とともにブランドコンセプトを定着させたい

新商品発表会をご依頼くださったのは、フォッシルグループの『MISFIT』ブランド。活動量計MISFITシリーズの新作として、シンプルなブレスレット型の『RAY』を発表予定でした。

RAYは、コイン型だった従来のMISFITシリーズの機能をそのままに、より日常のファッションになじむシンプルなデザインが特徴。そのため、新商品発表会ではファッション性を特に訴求する方向で決定していました。ただし今回は商品だけではなく、MISFITのコンセプトである「Always on」(=いつでも身に付けていられる)も改めて訴求してほしいとのご要望を受けたのです。

当時、MISFITシリーズはスポーツ向けと捉えられることが多く、日常生活のさまざまなシーンで活用できるという点は十分に伝えられていませんでした。そこでクライアント様は、RAY発売のタイミングで同コンセプトの定着を図りたいと考えられていたのです。

「いつでも身に付けていられる」をどう表現するか?

ご要望を受けて、シグナルでは社長、メディアプロモーター、PRコンサルタントが集まり、新商品発表会で「Always on」をどのように表現するかについてアイデアを出し合いました。

実は、クライアント様からはもう1つ、「従来の発表会ではなく、新しい取り組みをしたい」というご要望がありました。そのため、これまでの形にこだわらない新しいアイデアを生みだす必要があったのです。

出し合ったアイデアの中から絞り込み、最後に残ったのは、「寸劇で朝・昼・夜の利用シーンを再現する」というものでした。利用シーンをイメージするには見てもらうのが一番です。このとき、発表会までは約1か月。動画制作をしている時間はありませんが、ステージにセットを用意してその場で演じてもらうのであれば、時間は十分でした。

新商品発表会に寸劇を取り入れるのは、MISFITにとってもシグナルにとっても初めての試み。ですが、利用シーンの再現で「Always on」を訴求するという意図をクライアント様は理解してくださり、寸劇は正式に採用されることになりました。

新商品発表会当日の様子

MISFITの利用シーンを演じてくれたのは、こちらのモデルの2人。ナレーションを入れながら、すべてパントマイムで演じてもらいました。

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まず、朝のシーンではRAYがスマートフォンのカメラのシャッター代わりになる点をアピール。部屋で身支度を済ませた女性がRAYをタップし、今日のコーディネートを自撮りしています。

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日中に外出していると、スマートフォンに恋人からの着信が。スマートフォンをバッグに入れていても、RAYが振動して知らせてくれるので着信を逃しません。

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こちらは夜のシーン。オフィスで仕事をしていると、おしゃべりな同僚(画像左・特別出演した私です)につかまりそうになった男性。この後に恋人とのデートを控えていたため、長話は避けたい。そこで、RAYをタップして自分のスマートフォンを鳴らし、電話に出るふりをして上手に逃げています。

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シナリオは、日頃からMISFITを身に付けている私自身が、生活のどういったシーンで活用しているのかを振り返りながら作りました。目の前で実演したことで、スライドだけを使った商品説明に比べ、記者に対して印象を強く残せたのではないかと思います。

コンセプトがしっかり伝わり、メディア露出が40%アップ

新商品発表会の開催後、メディア露出数は147記事にも上りました。同じ機能を持つ前作『SHINE 2』の露出が102記事だったことを考えると、これだけの露出アップができたのは大きな成果と言えます。その中には、これまで取り上げてもらえていなかったファッション系のメディアも多く含まれていました。

記事の内容にも前作に比べて変化が見られました。SHINE 2は活動量計としての機能性やスポーツ要素を中心に取り上げられましたが、RAYでは普段の生活に活用できる点やファッション性といった伝えたかった部分を取り上げてもらうことができたのです。

この結果を見て、新商品発表会で訴求ポイントがしっかりと伝えられたことを実感できました。

限られたリソースをフル活用し、「本当に伝わる」ことを追求

新商品発表会のアイデアを出し合った際、社長から、「どうやったらコンセプトが本当の意味で伝わるかを考えなきゃダメだよね。そうでないと、“新しいことをやった”というだけの自己満足になる」と言われたのを覚えています。

これは本当にその通りだったと思います。新たなチャレンジをすることも大切ですが、クライアント様から求められていたのは、ただ新しいだけのことではなかったでしょう。

当時、時間や予算、人員といったリソースに限りがある中、「MISFITはどういった商品なのか?」「どう表現したら伝わるのか?」「私たちには何ができるのか?」をとことん考え、細部にまでこだわりました。訴求したいポイントがしっかりと伝わって多くのメディア露出ができたのは、その結果です。

実は、当時私はシグナルに入社してまだ3か月目で、初めての発表会でした。その最初の発表会が、形にとらわれずクライアントの要望をかなえるために一から作り上げられるお仕事だったことは、とても幸運なことだったと思っています。

構成:福田さや香